日本では、推計で毎年16万組の親子が離婚によって生き別れになっています。

別居親が、同居親(子どもを実際に育てている親)に子ども との面会交流(面接交渉)を拒まれているのが大きな原因です。離婚について定めた民法第766 条、819条では、別居親と子どもとの面会交流についての文言がなく、調停を経て裁判所で面会交流についての取り決めを行ったとしても強制力がないため、 事実上、同居親の意向で、面会交流が制約されてしまいます。調停で面会交流ができなくなることもあります。その上、調停には時間がかかり、婚姻中の別居状 態でも、親子の関係が断絶することもあります。

こんな事例があります。
父親が家を出て行き、子どもは母親と同居しながら調停中。父親から「子どもと遊園地に行きたい」と懇願され預け たところ、子どもは父親の実家に連れて行かれ、その後は全く会えなくなってしまった。親権は母親にという方向で調停が進んでいたが、「子どもは母親に会い たくない」と言い出したこともあり、親権は父親になり、以後一度も会うことができていない。
父親は子どもに「ひどい母親なんだ」と繰り返し刷り込むことで、母親は子どもを奪われ、会うこともできない。こうした事例がたくさんあります。

子どもの権利条約は、第9条で「締約国は、児童の最善の利益に反する場合を除くほか、父母の一方又は双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重する」と定め、1994年にこの条約を日本も批准しています。

離婚は婚姻関係の解消であって、親子関係の断絶ではありません。

日本以外の多くの国では、子どもの権利条約に準じ、法律やガイドラインが整えられ、頻繁な面会交流を保障するためのルールが決められています。それが子どもにとっての利益だとされているからです。実効性を確保するために、面会交流の拒否には罰則規定もあります。
日本は「単独親権制」ですが、フランスは「共同親権制」で子どもには、父親、母親どちらとも交流する権利が保障されています。

離婚後、親子を引き離してしまうことは、子どもにとって相当の心理的負担になり、人権侵害で虐待であると考えられているからです。もちろん私たち別居親に対する人権侵害でもあります。
ま た、面会交流を仲介するための連絡調整サービスへの支援、親どうしの葛藤と親子関係を分けて理解させるための父母教育プログラムの提供、児童福祉にかかる 施設を親子の面会の場として提供するなど、離婚後も双方の親と子とのかかわりが維持されるように、面会交流への様々な公的支援体制が整えられています。

先進国では唯一、日本のみである離婚後の単独親権制度(他国では離婚後も共同親権)や、面会交流が明文化されていないことは、離婚時における子どもの奪い合いを激化させる原因にもなっています。
多様な親子や家族のあり方が模索される中で、これ以上子どもが親どうしの紛争の犠牲者となることは避けなければなりません。同時に、離婚しても豊かな親子の交流ができるよう小平市議会でもこの問題を議論し、面会交流の法制化と支援を求めて下さい。

請願事項
小平市議会として、離婚後の親子の面会交流への公的支援体制を整え、離婚後の親子の面会交流が実現するよう法整備を行なうことを求める意見書を関係機関に提出してください。

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