共同親権運動ネットワークでは
以前から子どもの面会を使った家裁での人質取引について
問題してきました。
この度、具体的に植野の調停でなされた人質取引について
岐阜家庭裁判所と、同様の内容を最高裁判所宛に提出しました。

要望書

富田善範 岐阜家庭裁判所長 様

2010年7月16日
東京都新宿区西新宿6-12-4コイトビル3階
TEL 03-5909-7753
社団法人 共同親権運動ネットワーク

 私たちは離婚によって子どもと会えなくなった親のグループです。
 去る6月24日、12年間子どもと引き離された植野史さんが申し立てた面会交流の調停において、相手方から子どもと会うためには300万円を用意するようにという要求がなされ、調停委員会(富田善範裁判官、もんま、わにべ調停委員)を通じてそれが植野さんに伝えられました。私たちは、岐阜家庭裁判所において、このような人質取引が制止されるどころかそのまま調停合意の斡旋の手法として使われることに、抗議します。
 子どもを人質にとって親に金品を要求する行為は、一般社会においては犯罪です。しかし家庭裁判所においては、人間関係調整の名の下に慣行として当たり前になされています。
 私たちの会は、「離婚するまで子どもと会わせない」、「慰謝料を払うまで子どもに会わせない」などといった同様の人質取引を、家裁の調停の場でなされたという親の相談を日々受け付けています。
 面会交流がテーマとなる調停は、子どもを挟んだ冷静な関係がどう築けるかを目的とすべきと考えますが、このような人質取引の容認は、子どもの気持ちをないがしろにし、お互いの対立関係を深め、自らの主張を子どもを武器に通そうとすることを許す点で極めて悪質です。
 離婚は親どうしの問題であり、家裁が子どもを育てるのでない以上、「会う、会わせない」ではなく、離婚後の養育のやり方を決めるための道筋をつけるのが家裁の役割です。親権者であろうがなかろうが親は親です。少なくともこのような人質取引は制止され、将来に向けてルールに基づいた共同養育の斡旋をしなければ、当事者の納得は得られないでしょう。対立関係を深める調停を進めておいて、「協力できないから面会交流は無理」というのでは、家裁が親子関係を絶っているようなものです。親どうしの関係が非関与でも、取り決めさえしっかりしていれば面会交流は可能です。
 私たちは、植野さんの調停において、二度とこのような主張が植野さんに伝えられないように求めます。何より、植野さん親子の当たり前の関係が取り戻せることを願っています。そして岐阜家庭裁判所における人質取引が今後なされないように、職員の研修も含め再発防止を求めます。