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□■   共同親権運動ネットワーク(kネット) メールニュース
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◆― No.31――◆

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このメールニュースは、主に共同親権運動、親子引き離し問題
についての情報を発信するものです。 2010年12月29日
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■今号のトピックス
1 共同親権ニュースドットコム
2.片親疎外とその対処
3.インフォメーション
4.イベント案内
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┣☆┫1.共同親権ニュースドットコム
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共同親権運動ネットワークでは、
新ブログ「家庭裁判所チェック」に続いて、
新サイト「共同親権ニュースドットコム」
を立ち上げました。

http://kyodosinken-news.com/

ここさえ見れば共同親権運動の最新の動きが一発でわかるように、
親権問題や法制化についての最新の情報を逐次アップしていきます。
また、各個人、団体からの投稿も歓迎します。
イベント案内や地方での小さな記事も含めて
ぜひみなさまからの情報をお待ちしています。

情報を広め共有化することで、
運動をいっそう前進させていきましょう。

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┣☆┫2.片親疎外とその対処
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12月19日、kネットでは大正大学教員で臨床心理士でもある
青木聡さんを国立に招いて、ワークショップ「別居親相談の現場から」を
開催した。
青木さんのお話は、アメリカの心理学の学会や弁護士の間で、
片親引き離し症候群(PAS)がどのように扱われてきたかを、
学説の変遷や論争の経過をたどりながら紹介するものだった。
少し前には日本でも弁護士を中心に、アメリカの論文を紹介しながら
PASを否定する見解が表明されたことがあった。
アメリカでも、心理学会や弁護士の団体を中心に、
PAS概念を否定する見解が述べられたことがあったという。
しかし、現在のアメリカでは、PASが広く認知されていて、
分厚い議論の積み重ねがある。
2008年の時点で、「片親疎外」に関する論文は265、
「PAS」についての論文は244、
「片親疎外」の書籍は355冊に及ぶという。
今年、アメリカで開かれた国際家庭裁判所/調停裁判所協会の
大会に出席した青木さんは、その内容のすべてが面会交流と
片親疎外に関する議論に費やされたことを報告している。

法制化の議論が高まるとともに、日本では
別居親対シングルマザーという対決構図で
物事が語られることが少なくない。
青木さんはアメリカでは、

虐待の問題と片親疎外の問題は別の文脈で議論されていると説明していた。

片親疎外の問題は離婚の文脈でも現在では扱われていないという。
ワークショップには、離婚して子どもを相手に会わせたいし、
実際そうしているという母親も来ていた。
現場での感覚も、どちらかというとすでに法律の不備を知った上で、
ワンパターンの対決構図にどうやったら入り込まなくてすむか
という相談が最近は多い。

kネットのほうでも、相談と支援や講座の担当者からの報告が
なされたが、kネットの実践が、アメリカでの片親疎外への対処に
照らしても、あまりかけ離れていないということも確かめられた。
こういった国際的な議論の推移と、現場での対処の積み重ね
を共有化していくことも、これからの運動においては
必要なことと感じられた。

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┣☆┫3.インフォメーション
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(1)日弁連主催シンポジウム
「両親が離婚した後の親子の関わりのあり方―共同親権の展望」開催

12月11日、霞ヶ関の弁護士会館で、日弁連の共同親権に関する
シンポジウムが開催された。
木内弁護士の基調報告では、共同親権の必要性が説かれた後に、
「何が共同親権の実現を阻んでいるのか。その課題はなにか」
といった踏み込んだ内容で、「共同親権の必要性」だけで
議論になっていた今までとは違う展開の内容だった。
結論的には、木内さんは、
「共同親権法制化は、子を持った夫婦は養育計画を提出しなければ
離婚できないシステムが必要」というまっとうな意見のあと、
その実現を阻んでいるのは、「裁判所は手一杯で受け入れられない」
現状であるという。
富岡恵美子弁護士からは、
「養育費の支払い問題や、母子家庭と離婚後の父親の
経済格差がある状態では、共同親権は認められない」
という反対意見が出た。
一方、大谷美紀子弁護士は、
「母子家庭の貧困問題と、共同親権の問題は別の問題だ」
と冷静な意見を述べ、「共同親権」という「権利」の話をするから、
「権利を与えるなら義務を果たしてから」といった議論が起こるので、
「共同親責任」といった言葉に代えるべきではないか、
という提案があった。
今年5月の面会交流と養育費の問題をテーマにした日弁連の
シンポジウムでは、面会拒否を正当化するとんでもない発言が
たくさんあったので、当時の議論の水準から日弁連もかなり
前進ている。
課題のステージとしては、「誰が養育計画などの判断をするのか」
といった裁判所(あるいはADRなど)の人員、
予算の問題を議論するところになっている。

(2)千葉県印西市全国20番目の意見書提出

12月22日に千葉県印西市議会で
「別居・離婚後の共同親権・共同監護の法制化と支援を求める意見書」
が採択された。
この意見書は、市民からの請願が採択され、本会議でペンディング
されていたもの。12月市議会で決議され意見書として関係機関に
提出された。

これで地方議会からの意見書提出は20カ所目
意見書の提出された地方議会は、2008年3月の国立市議会を
皮切りに以下のようになっている。

国立市、小金井市、立川市、小平市、清瀬市、日野市、狛江市、杉並区、
埼玉県白岡町、国分寺、昭島市、長野県白馬村、兵庫県西宮市、名古屋市、
大阪府、埼玉県新座市、宮城県名取市、兵庫県、滋賀県、千葉県印西市

(3)「家庭裁判所裁判官の実情」

kネットでは、
「とんでも発言」な裁判官を紹介する冊子
「家庭裁判所裁判官の実情」を発行し、全国50カ所の
家庭裁判所に郵送した。
必要な方は、kネットまでお問い合わせください。
また、家裁監視団はブログで家裁監視の活動を続けている。

http://kasaicheck.seesaa.net/

「とんでも発言」な裁判官を紹介するとともに、
家庭裁判所についての正しい知識、
家裁を体験した人の手記、
用語の解説、家裁への要望書などなど
充実した内容で、家裁利用者の便宜をはかるのが目的。

また、
家裁関係者や弁護士に被害を受けた方は
家裁監視団までご一報を

03-5909-7753

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┣☆┫4.イベント案内
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他団体のイベントも紹介しています。

■kネット相談日(第二、第四木曜日)
日時 1月13日、27日18:00~21:00
場所 kネット事務所
料金 1時間2000円(1時間超は1時間毎に1000円)
問い合わせ 03-5909-7753(共同親権運動ネットワーク)
*相談日以外でもご予約の上、相談を受け付けます。

■kネット交流会(毎月第四土曜日)
日時 1月22日(土)13:30~16:00
場所 kネット事務所
参加費 500円
主催 kネット
問い合わせ kネット

■女のグループワーク/男のグループワーク
日時 1月8日、2月22日、3月12日
場所 kネット事務所
料金 2000円
ファシリテーター 味沢道明(日本家族再生センター)
主催 日本家族再生センター
問い合わせ kネット

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このメールは、ホームページで購読申込みされた方、
kネットにお問い合せいただいた方、名刺交換をさせていただいた方、
kネットメンバーと交流をいただいている方、
kネットのセミナーに参加された方、
お世話になっている方にお送りしています。
送付が不要な方はお知らせください。

■ 編集部より
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今年最後の相談の予約は相談者が現れなくてお休みになった。
よかったというべきなのかいなか。連日、子どもと会えなくなった
という悩みを聞いていると来年こそは法制化できるのだろうかと
考える。来年を「決戦の年」に。ではよいお年を。 (宗像)
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