婚外子の相続分差別を撤廃する民法改正にあたっての声明

婚外子の相続分差別を撤廃する民法改正にあたっての声明

 本日、結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を法律上の夫婦の子(嫡出子)の半分とする規定を削除する民法改正がなされた。

私たちはこの民法改正を歓迎する。

 同時に、今回の改正は子どものための民法を実現するための第一歩であることを付け加えねばならない。

 子どもから見れば、自分の努力と無関係なところで発生した法律関係の変動で、子ども自身が差別を受けるいわれはない。まして法でその差別を肯定してはならない。法律上の身分関係がなんであれ、「親子関係に差別は許されない」ことを認め、今回の法改正を命じた最高裁判断は、時代の変化の末のこととはいえ、当たり前のことを確認したにすぎない。

しかし国の法制度によって自身の価値を貶められてきた人にとって、法改正後の未来はこれまでとずいぶん違って開けて見えることだろう。

私たちは親の離別を原因として子どもとの交流が困難になった親のグループである。片親を排除し、双方の親から平等に子どもが愛情を受ける機会を奪うこと、そ

れに見て見ぬふりをすることは差別である。その観点から離婚・未婚時に片親を排除する際の根拠づけとなってきた、単独親権制度の強制に私たちは反対してきた。

婚姻も妊娠も出産も離婚も子どもが決めるわけではない。子どもに制裁を科すことによって、親の行為を咎める法制度は本質的に子どものためのものではない。単
独親権制度を筆頭とする片親排除のための法制度は、今回の法改正と同様の理由で改められなければならない。婚外子差別の撤廃は、法律上の身分関係にかかわらず、
親の責任が継続し、実質的な親子関係が保障される制度の実現とセットである。

子どもが自由に自分の親やふるさとについて語ることができるために、共同親権制度の導入に向けての民法改正をともに実現していこう。

(2013年12月5日)