□■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□
□■  kネット・メールニュース  No.161
□■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━□

「家庭裁判所に法の支配を。日弁連に人権の確立を。」

┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
 このメールニュースは、主に共同親権運動、親子引き離し問題
 についての情報を発信するものです。 2013年12月26日
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

■今号のトピックス
文京区の事件、家裁は何をしたのか

_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/

☆『子どもに会いたい親のためのハンドブック』好評発売中!】☆彡
http://www.shahyo.com/mokuroku/life/feminism/ISBN978-4-7845-1489-2.php

┏┏┳────────────────────────────
┣☆┫文京区の事件、家裁は何をしたのか
┗┛┻────────────────────────────

報道で事件の背景を解説しようという試みが行われています。

各社の報道では、
「調停中のため、直接会うことは禁じられていた」
という指摘があるのですが、
現在、家裁の運用では、調停中であることを理由にして
子どもと会うことが禁じられることはごくまれです。
(というかあってはならないことです)
その場合は何らかの決定があるはずです。
現在は、
子どもの住所が不明な場合でも
面会がなされる場合があります。

以前は、「トラブル防止のため」調停中に親子を引き離す、
というのが法律業界の慣行でした。
もちろん、それでトラブルが防止できるわけもなく、
トラブルが起きても、業界が握りつぶしていただけですが、
いよいよ数が多くなって握りつぶせなくなってきました。

今回の事件でも当てはまりますが、
日本でも共同親権下では、
片親の排除は監護権の侵害にあたり不法行為です。
また親権がないにしても、正当な理由もない親子の引き離しは
親の養育権を犯すものです。
子どもの権利条約にも反します。

このような慣行を法律家たちは容認してきました。
「トラブル防止できたらいいな」という願望を当事者に
押し付けていただけで効果なんか考えていませんでした。
不当に片親排除を進めることは今も少なくありません。
残念なことに暴力防止に必ずしもつながっているとも言い難いです。

現在は家裁は面会交流に積極的ですが
それでも同居親が拒めば、
調停で別居親を諦めさせようとしますし、
暴力がなくても
写真送付などですませるという決定がいまだにあります。
「実効支配」が最優先ルールです。

当事者たちにとっては法律家の都合より
自分の子どものほうが大事でしょう。
現実を無視した法や法運用を一方的に適用しても機能しません。
いたずらに法律家の手を煩わせ、
当事者と法律家の信頼関係を損なう必要もありません。
慣例や前例が現実的な判断を拒んでいます。

今回の事件で、どのような家裁の運用がなされたかは
わかりませんし、一方が亡くなっているので真実が
どこまでわかるかも疑問です。
それでも、事件の解明と再発防止には
家裁の果たした役割について
明らかにする必要もあると思います。

===== ===== ===== =====

産経新聞は、面会を求める親の増加とともに
トラブルが増えている現状を指摘しています。

■産経2013.12.25
【父子無理心中】 後絶たぬ面会めぐるトラブル…審判・調停は増加

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131225/crm13122500080001-n2.htm

離婚などで別居する親が子供との面会を求める審判・調停は年々増加し、
昨年は1万1千件を突破した。
昨年4月に施行された改正民法でも「面会交流」が明文化されるなど、
子供の視点に立った親子交流の在り方が注目される一方、
トラブルも後を絶たない。
専門家は「当事者の安全を確保しながら、
第三者が面会交流に関わる仕組み作りが必要」と指摘する。

最高裁によると、面会交流を求める調停は、
平成15年の4203件から増加の一途をたどり、
24年には9945件に。
同年の審判1514件と合わせると、計1万1459件に上った。

改正民法では、
協議離婚の際に定める「子の監護について必要な事項」の具体例として
面会交流と養育費の分担を明記。
これらは「子の利益を最も優先して考慮」するよう定めた。

一方、23年度全国母子世帯等調査によると、
「現在も面会交流を行っている」と答えた父子家庭は37・4%。
母子家庭は27・7%とさらに低く、
面会交流が実現しているケースは一部に限られているのが現状だ。

時にはトラブルに発展するケースもある。
今月14日には、元妻宅から実子5人を連れ去ったとして、
栃木県警が未成年者誘拐容疑で夫を逮捕。
親権は元妻にあり、夫は「子供に会いたかった」と話したという。

早稲田大学法学学術院の棚村政行教授(家族法)は
「離婚の際の夫婦間のこじれを引きずり、
子供に会わせない場合もある」と指摘した上で、
父親特有の事情にも着目する。

棚村教授によると、離婚後は8割超で母親が親権を持ち
「母は子育てを通じて社会との関わりが持てるが、
父はこうしたつながりを失うため孤立しやすい」という。
棚村教授は「孤立した父への支援態勢を整える必要がある」と話す。

面会交流での立ち会いなどを行う
「家庭問題情報センター」の永田秋夫事務局長は
「子供が健全に成長するためには、
親子がスムーズに面会することが必要」と指摘。
「夫婦だけではトラブルになりやすいが、
父や母という立場から子供の成長を考えてもらうためにも、
第三者が関与していくことが大切」としている。

===== ===== ===== =====

第三者機関は必要でしょうが、
適正な法運用のできない第三者機関は、
別の形でのトラブルを継続させることにもなります。
少なくとも
「あなた親権がないんだ。親じゃないんだ。対等じゃない」
という発言する人権感覚の団体では、
トラブルが別の種類のトラブルに変わるだけでしょう。

■日刊スポーツ2013年12月24日
小学校で父が息子道連れ焼身心中

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20131224-1235286.html

(略)
駒込署と上野署によると、父親は10年9月から妻、長男、次男と別居。
昨年5月、妻から「夫が(台東区の)実家に来て子どもの手を引っ張ったので、
制止したら蹴られた」と相談があった。
署は実家周辺や通学路の警備を強化し、
月に1回妻と連絡を取っていたが、その後トラブルはなく、
昨年12月に妻の了解を得て警戒態勢を解いたという。
父親と妻は離婚調停中だった。

汐見小の近隣住民の話によると、父親は家族と別居後、
学校に近い文京区千駄木のマンションに1人で住んでいた。
汐見小に通っていた次男には、徒歩で会いに行ける距離にいた。
しかし調停中のため、直接会うことは禁じられていた。
父親と同じマンションに住む68歳男性は
「会っても、あいさつしないし、社交的ではなかった。
家族が遠くに住んでいれば、こんなことにならなかったのに」とこぼした。

父親は、息子2人が野球や水泳をしたり、
家族でキャンプに行った時の様子を撮影し、
動画投稿サイトに度々掲載していた。
「親ばかビデオです」とコメントも付けていた。

次男と遊んだことがある小6男子によると、
次男は父親について「優しく、遊んでくれる」と話したという。
別の小6男子は「2カ月ぐらい前、
公園でお父さんが次男に『いつか僕が死んだら、お母さんを守れ』
という話をしていた。心配していたら、こんな事件が起きた」
と驚いていた。【柴田寛人、清水優】

■産経2013年12月26日
野球の絆、子煩悩な父の凶行 校庭で次男道連れ自殺の「なぜ」

http://news.livedoor.com/article/detail/8377753/

親子をめぐる経過
野球を教えてくれた子煩悩な父親はなぜ、わが子を巻き添えにしたのか-。
 東京都文京区の区立汐見小学校で23日、
父親(49)が同校3年の次男(9)を道連れに灯油をかぶり、
火を付けた事件は、父母の離婚が成立する直前の悲劇だった。
3年前から別居していたが、
父親は次男を取り戻すことに執着しており、
復縁がかなわないことを悲観したのが直接の引き金になったとみられる。

(略)
野球こそが、父親と次男を結びつけていたものだった。
父親はかつて次男のチームの監督を務めたことがあり、
最近もたびたび練習に顔を出していたという。
今年初めごろにも、父親のマンション近くの駐車場で、
父親と次男がキャッチボールをしているのが住民に目撃されていた。

一家は平成18年ごろ、同校近くのマンションに入居したが、
22年9月には父親だけを残し、
母親、長男、次男の3人は台東区内の母親の実家に引っ越した。
父母は離婚調停中で、次男は越境通学で同校に通い続けていたという。

父親は昨年5月に実家に姿を見せ、次男を連れて行こうとした。
母親が止めに入ったところ、母親を蹴り飛ばしたという。
母親は上野署を訪れ、
「父親からのドメスティックバイオレンス(DV)が原因で別居している」
と相談した。(略)

一方で、復縁が絶望的になった父親には異変が見られた。
約2週間前の12月中旬、次男は学校の友人にこう打ち明けていた。
「いつも優しいお父さんの様子が最近、おかしい。
『俺が死んだらお母さんを守ってくれ』なんて言われた」

現場には灯油入りの缶のほか、ライター、手錠などが落ちていた。
マンションには「次男に会いに行く」と書かれた遺書も残されており、
駒込署は父親が明確な意思を持って無理心中を図ったとみて、
殺人未遂容疑で容疑者死亡のまま書類送検する方針。

悲劇は防げなかったのか。
DV問題に詳しい宮崎晃弁護士は
「DVが認められる家庭では、
子供にも危害が及ぶという最悪の事態を想定し、
保護施設を利用するなどして距離を置くことも必要」と指摘する。

今回の事件では次男が別居後も同じ小学校に通い、
父親と接触する機会があったことから、
「父親に危険性があるかないか、
早い段階で専門家に意見を求めるべきだった」と訴える。

===== ===== ===== =====

子どもとの引き離しが事件を防いでいたかどうかはわかりません。
一方で、
父親の側が私たちのような団体とつながってくれていれば、
親どうしのトラブルに子どもをできるだけ巻き込まないで
生き残るために必要な情報は提供したことでしょう。

┏┏┳────────────────────────────
┣☆┫3 今年最後の別居親交流会、28日
┗┛┻────────────────────────────

私たちの活動は、
別居親を孤立させず、心情を汲み取りながら冷静な対応を
当事者に働きかける、という面で暴力の防止にも役立っています。

今年最後の交流会です。

日時 12月28日(土)13:00~15:00 場所 
くにたち公民館講座室(銀座の交流会とは別です)

http://www.city.kunitachi.tokyo.jp/shisetsu/s_city/001127.html
参加は無料(直接会場にお越し下さい)
主催 kネット(担当・宗像) 連絡先 03-6226-5419     

info@kyodosinken.com

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
このメールは、ホームページで購読申込みされた方、
kネットにお問い合せいただいた方、名刺交換をさせていただいた方、
kネットメンバーと交流をいただいている方、
kネットのセミナーに参加された方、
お世話になっている方にお送りしています。
送付が不要な方はお知らせください。

【★現在の読者数 491人】

⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒
家裁の決定が届いた。
受け渡し場所で合意した弁護士からの手紙を無視して、
裁判所は合意したとは認められない、という。
驚いたことに、双方の親が提示もしていない場所が
受け渡し場所に指定されてた。
裁判官(村主さん)や調査官が子どもと会うみたいだ。
こういう感覚なんだよな、まるで他人事。(宗像)

⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒*⌒