q_akaishi_single-m2016年11月14日
NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ
赤石千衣子様

お世話になります。私たちは子どもと離れて暮らす親のグループです。
2016年9月29日付朝日新聞の『(あすを探る 家族・生活)「親子断絶」防ぐ法案に懸念』という記事の中で、赤石様のご意見について私どもとしては見過ごすことが出来ない内容が散見されておりました。
この記事は、現在議論されている、いわゆる親子断絶防止法案について懸念されているものと見受けられますが、私達のグループでも、この法案の行方は注視しているところではありますが、赤石様もご承知かと思いますが、この法案は特段の強制力は持たない理念法であることから、懸念とするとその理念に疑問を抱いているものと推察します。
巷の間でも、様々な意見が出ており、中には私達も非常に考えさせられる意見などもありますが、残念ながら理念とは全くかけ離れ、非建設的な切口で、疑問のみを投掛けている方もおります。
私達も「必ずしも」という点については考えるところはありますが、基本理念を議論する際に、そのような切口から入っては収集がつかなくなるのは必定で建設的な議論を産みません。そこで、赤石様のご意見の趣旨について正確に理解したく、ご質問させて頂きます。

1 赤石様のご意見の中で本法案が、
『「家族のあり方」を決める重要な法案であるのに、多くの問題を抱えている』とあり、同時に現行の配偶者暴力防止法等も『家族や子どもをめぐる法律』ともされております。他方の家族に関する法律は推進されるべきで、他方の家族に関する法律はそうではないとすると、どこに違いがあるのでしょうか?
配偶者暴力防止法は、保護措置、支援措置の適用において一方の申出だけで手続きが進み、他方、いったん適用されれば解除するための手続きが用意されておらず、そのために、かえって加害者とされた側や、親子関係が断たれた親の憎悪をかきたて、私どもはそのことが暴力の防止に資さないと指摘してきました。適正な手続きを当事者に保証し、親子関係を規定する法律と、暴力防止のための施策はともに推進されるべきというのが私たちの考えです。

2 ご意見の中で、『子の意見も聞かない法律ができれば、20年以上前に時計の針を戻すことになる。』ともありますが、具体的にどのようなことを指しておりますか。
子どもの意見表明権は、子どもの欲求表明に対して、大人が応じる義務と私どもは解しております。たとえば、「子どもが会いたくない」と言ったのを理由に「あなたが会いたくないと言ったから会わせなかった」と後に親が言うとすると、それは親のすべき選択、責任を子に負わせることになります。子どもの「お父さん(お母さん)に会いたい」という意見表明はできなくなります。近年の家裁の親子関係への配慮は、そういった子どもの意見表明権の保障に配慮した結果だとも思いますが、20年以上前のどのような状況に、赤石さまは家族関係を戻したいのでしょうか。

3 赤石様のご意見の中で、
『一方の親の努力だけでは維持できない』や『一方の親にだけ努力義務を課し』とあり、これら『一方の親』とは監護親を指すものと思いますが、もう一方の別居親側は何の努力・苦労もないとお考えなのでしょうか?

4 『「高額の贈り物をしない」など面会時の約束を守らせる』ともありましたが、別居親は、まずその点において子供の為に、努力・苦労すべきとのお考えなのでしょうか? ここで言われる高額とはいったいどのくらいの金額を指すのでしょうか? また、その次に努力すべき点となると、どういったことが挙げられるでしょうか?

5 赤石様のご意見の中で、
『子を連れて別居することを「連れ去り」と考え、防止を啓発するというのも現実的ではない。子の世話を主にする親が連れて家を出るのも「連れ去り」と称して防止すれば、世話が必要な子を置いて別居せざるを得なくなる。』とありましたが、これには衝撃を受けざる得ませんでしたが、もう少し詳細についてその意図を示して頂けますでしょうか?

疑義の生じる点も他に多々ありますが、まずは以上、文書にてご回答頂けますか。

また、回答をいただいた後、または文章による回答が難しい場合には、直接赤石様のご意見を拝聴し意見交換する機会を私たちは儲けたいと思います。今後も建設的な議論のためにご協力いただけるものを考えておりますので、よろしくお願いします。いかがでしょうか。

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