FPIC宛質問状

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kネットでは、家庭問題情報センターに以下のような質問状を提出いたしました。
また、公益認定の担当機関である内閣府にも同様の書面を送っています。

【質問状】

2012年7月20日

公益社団法人 家庭問題情報センター
理事長 若林昌子 様

東京都国立市東3-17-11.B-202
共同親権運動ネットワーク

 常日ごろから面会交流サポートについて努力いただいておりますこと、ありがとうございます。
 当団体の会員の宗像充が千葉のファミリー相談室で面会交流の支援を受けております。宗像から貴団体の職員の佐藤文夫氏ほかの面会交流の支援のあり方について相談を受け、貴団体の支援の姿勢について質問いたします。

1.背景
 宗像は、2009年9月28日に成立した審判事項(2010年2月15日に成立した高裁の決定事項で若干の修正がある)に基づき、貴団体のサポートを受けながら、子どもと2ヶ月に1回2時間(途中から2時間半)の面会交流を続けておりますが、本年7月15日に実施された面会交流において、千葉ファミリー相談室の担当者の佐藤文夫氏などから以下のような適切とは言い難い対応を受けました。
宗像は、面会交流に先立ち、子どもの運動会を観戦し、その後、子どもの学校の校長及び教頭と面談し、事実関係を説明し、「子どもの学校行事など親として参加し、必要な情報を交換していきたい」と依頼し、心理カウンセラーが同行しました。学校で騒いだわけでもありません。相手方は訪問に否定的でしたが、事前に連絡をしております。

改めて、貴団体にご説明するまでもありませんが、親として子どもが通う学校や教育に関心を持つのは当然であり、それは親権のない親だからといって変わるわけではありません。また、子どもにとっても、双方の親から自分の成長や教育に関心を寄せてもらうのは、安心感の維持にもつながります。双方の親から子どもが愛情を受け、養育を受けた方がよいとの考えが普及し、今年の4月に民法766条が改正されました。その際、面会交流の促進のために交流支援団体への支援や、共同親権についての議論が付帯決議に盛り込まれています。

2.当日の経過
 7月15日の面会交流時、相手方は子どもを屋外に待たせて一人で3階の相談室にやってきて、運動会に行ったことについて子どもに言わないように宗像に求めました。相手方は「そうでなければ会わせられない」と言い、宗像が相手とその場で話し合うことなどを求めていないにもかかわらず、貴団体の佐藤氏と青柳氏も宗像を説得しました。
 1時間の間、佐藤氏は宗像に対し「なぜ相手方の同意をえずに学校に行くのか」という説明を求め、相手方が学校に来ることを拒否する理由や学校に行ったことを子どもに伝えるなという理由は問われませんでした。宗像は、「子どもの学校の人と会って子どものことを知るのは親として当然の務めで、事前に裁判所にも言っている」との説明を繰り返しました。しかしながら佐藤氏は、「あなたは親じゃないんだ。親権者じゃない。対等じゃないんだ」と言いました。また、法的な説明をしようとすると、「裁判所の通りにやらないといけないことはない」と言いました。さらに相手方が、宗像が毎週子どもに送っている手紙を母親が事前に読んで渡すかどうか判断する、と説明したのを放置し、母親が宗像のことを「変質者」と呼ぶにまかせました。宗像が「面会交流は子育ての時間なんだから」と言ったことに対し、佐藤氏と青柳氏は「面会交流は子どもと楽しく過ごす時間です。面会交流は子育てではありません。子育てをするのは親権者です。FPICはそういう考えではやれない」と強調しました。

 宗像が「運動会に行ったことを言わない」という条件をやむをえず受け入れた後も、30分近く、子どもとの面会交流は開始されず、母親と佐藤氏は「私だったら、離婚しても親権者がいやがったら学校に行かない」など、宗像に対する非難を続けました。
面会交流の開始前に、FPICの職員が室内の交流を相手方に勝手に約束したため、宗像は審判にも定められていない面会交流の制約を受けることになりました。これは親権者の気分を害する事態を招けば、ペナルティを受けることを父子双方に学ばせます。また、親が親として適切に扱われないことは、円滑な面会交流の実施を妨げます。
 宗像はこれまでくり返し、貴団体のスタッフの青柳氏から、「相手方が再婚しており、家庭が安定しているので、他のケースの面会交流事案とは違う」との指摘受けています。宗像が二人の子どもを一人で育てていたときから、相手方は再婚養子縁組の意思を示しており、面会交流をさせるという約束のもと、裁判所の決定を経て相手方が子どもを引き取りました。それぞれのケースの実態を認識せずに、不用意な発言をくり返すことも、また面会交流実施上のトラブルになります。

3.共同親権への理解
 以上のような貴団体職員の対応は、面会交流を支援する団体のスタッフとして、中立に反し、法や取り決めを都合よく解釈して当事者双方そして子どもに不必要な苦痛を強いるものです。
面会交流は面会交流として実行すべきで、学校とコンタクトをとることは、審判事項とは関係ありません。仮に相手方がそのような事由を持ち出して会わせないといえば、約束違反をしたことを積極的に確認すべきです。相手の感情を害することで審判事項や合意事項が反故になるなら取り決めの意味がないからです。
また、貴団体の支援を受けて面会交流を実施している親の間では、根深い相互不信やコミュニケーション不全が生じていることが多いことは、貴団体もご承知のことと思いますが、面会交流の場での対面での話し合いを強制し、退席も許さないという対応は、中立的な立場にあるべき貴団体の対応としては不適切です。突然心理的な打撃を受けた者が、気を取り直してその後子どもとの限られた交流時間を楽しく過ごすことは通常困難です。それは理由もわからず予定されていた交流を阻まれた子どもにとっても同様です。あまりにも別居親子の人権への配慮が不足しています。

別居親の子どもへのアクセスを同居親が不当に制約していることは、片親疎外という情緒的虐待です。面会交流はそれを防ぐためのものですが、上記経過の中で貴団体のかかわりはむしろそれを促しています。また単独親権制度は、別居親が子どもに危害を加えた例外的事情でもない限り、基本的人権を定めた憲法と子どもの権利条約のもとにおいては、養育責任の明確化という以外に合理性がありません。面会交流は、子どものために双方の親の養育への関与の仕方を取り決めた結果であり、それが民法766条改正の趣旨にほかなりません。そのことは国会でも審議されています。親権のない親の養育への関与を制約するためのものではありません。
そのことを理解しない支援のあり方は、片親疎外を深刻化させることにつながります。援助者の立場を利用して別居親の人格を攻撃するなど許されません。このような対応は、宗像個人にだけなされたものではなく、面会交流支援の現場において、他にも同根の問題を包摂した対応があることが当然にして考えられます。
そこで、当団体は、片親疎外や共同親権について取り組む当事者団体として、貴団体の団体としての面会交流のあり方についての基本的見解をあらためて確認したく、下記の通り質問いたします。

1 貴団体は、「親権者でない親は親ではない」という考えを適切と考えられますか。そのように考えるとすれば、その理由を説明してください。

2 貴団体は、親権のない親は子育てをしてはならず、面会交流支援は子育て支援ではないと考えられますか。そのように考えるとすれば、貴団体は何のために面会交流支援をしていますか。

3 貴団体は、子どもと離れて暮らし、学校と通常の手続きでコンタクトをとろうとする親は「変質者」と呼ばれてもよいと考えますか。また、貴団体は、親権者の一存で、別居親が学校とのコンタクトをとることを排除できると考えますか。そのように考えるとすれば、その理由を教えてください。

4 貴団体が、親権者であれば、親から来た子ども宛の手紙の内容を事前に確認し、手渡すかどうか決めることが許されると考えますか。そのように考えるとすれば、その理由を教えてください。

5 貴団体は、取り決め外のことであっても、親権のない親は「面会交流に支障が出る」という親権者の意向に従わなければならないと考えますか。そのように考えるとすればその理由を説明してください。

6 貴団体は、親どうしが離れて暮らす場合に、単独養育がふさわしく、面会交流は限定的になされるべきとの考え方に立ちますか。「子どもの最善の利益」にかなう面会交流の基準を示して下さい。

7 貴団体は、再婚養子縁組がなされれば、子どもの状態が安定し、面会交流は限定的に行われるべきであると考えますか。そのように考えるとすれば、その理由を説明してください。

以上の質問に対する答えは、8月3日まで上記住所まで書面で送付下さい。