国境をまたぐカップルの離婚についての各国のルールは
国際標準へと統一化される傾向にあるようです。
もちろん、国際離婚はEU圏内だけではないので、
子どもを会わせたくない親は日本で離婚、
共同養育をしたい親は欧米で離婚なんてことには
少なからずなってきていると感じています。
もちろん、単独親権と子捨ては「日本の文化」のようですので、
日本に子どもを連れて行かれた親は、日本国内では味方がほとんどおらず
絶望的な状況になるのは、日本で離婚して会えなくなった親と同じでしょう。
日本もワールドスタンダードを無視するのはますます難しくなるでしょう。

http://mainichi.jp/life/kirei/news/20100719k0000m030096000c.html

EU:国際カップルの離婚ルール統一

2010年7月18日 20時27分 更新:7月18日 23時27分

 【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU)に加盟する27カ国のうち仏独伊など14カ国で、国際結婚した夫婦が離婚する際のルールが統一されることになった。離婚手続きに伴う物心両面の負担を軽減するのが狙い。一部の加盟国が特定分野で統合を先行的に進める枠組み「強化された協力」の初の発動。昨年末に発効した新基本条約「リスボン条約」下における「有志統合」のモデルケースとなる。

 国際カップルの離婚の場合、双方の出身国や居住国のうち、どの国の法律が適用されるかがEU加盟国によってばらばらだった。統一ルールでは夫婦が合意の上、どの国の法律手続きで離婚するかを選ぶことができる。日本人など域外市民とのカップルや、第三国出身者同士の夫婦にも適用される。

 離婚時の財産分与の割合や慰謝料・養育費の支払い条件は加盟国で異なるため、国際カップルの夫または妻が先を争って自分に有利な国の裁判所に離婚を申し立てがちだ。統一ルールは、子供の利益を損なわない範囲での「夫婦の合意による法律の選択」が前提のため、弱い立場の配偶者や子供を守る効果がある。夫婦間で合意できない場合には居住国の法律が優先される。

 EUの行政府・欧州委員会は06年に統一ルールを提案したが、議論は暗礁に乗り上げていた。今春、「強化された協力」の枠組みを使う方針が固まり、今月12日、EU各国は14カ国による統一ルール採用を承認した。年内にもルールの詳細を詰める。

 EUは99年発効の「アムステルダム条約」で、一部の加盟国で先行的に統合を進められる「強化された協力」の枠組みを導入したが、これまで発動例はなかった。

 欧州弁護士会評議会のフォーブ対外関係部長は「家族法は加盟国で違いがあるが、国際結婚が増え、協調が必要となった」と話す。

 欧州委員会によると、加盟27カ国で07年に成立した離婚約100万件のうち約14万件が国際カップルの離婚だった。