2018年8月24日

共同養育支援議員連盟会長 馳 浩 様
共同養育支援議員連盟所属議員各位

共同親権運動ネットワーク

別れた後の共同子育ての実現のためにご尽力くださり、ありがとうございます。

私たちは、別居親の全国組織である共同親権運動ネットワークです。当初、親子断絶防止法全国連絡会に参加しておりましたが、会の非民主的な運営からすぐに脱退しました。

私たちは、2016年12月に公表された、通称「親子断絶防止法」案の条文を見て、この法案に反対を表明しました。理由は、この条文案で示された2条3項、9条2項が、およそ現在、別居親子を差別して引き離しに活用されている理由そのものであり、いくら理念で両親による養育を促したところで、具体的な条文で引き離しが容認されるならば、現在の状況の固定化、及びむしろ悪化にしかならないからです。

DVや虐待の「おそれ」を誰が判断するかの基準もないまま、被害者と名乗り出た側に「特別の配慮」を与えるというのは、適正な法手続きをないがしろにするものです。このような手続き上の不備は裁判所も批判しており(2018年4月25日名古屋地裁判決)、この法案の条文は最新の司法判断にすら逆行します。また、表面的な「子どもの意思」を理由に、親子を引き離す行為は現在離婚弁護士や裁判所での常套手段となっており、むしろこの法案によって、自らの発言で親を捨てさせられて心に傷を負う子どもが大量に生まれるでしょう。

さて、現在政府は共同親権についての議論を開始することに言及しています。親子関係についての法律がすべての人にかかわる以上、法制審議会での専門家の意見を聞きながら広く民衆一般の議論を促すことが議員には求められます。しかしながら、現在の共同養育支援法案は、すでに代表的な別居親団体すらも排除した、一部の利益団体の利害を調整しただけで密室の協議を終えました。この法律の論点をベースに国民的な議論など起こしようがありません。むしろ個々人が、それぞれに合った家族関係を作ることを困難にします。

いまさら、月に1回数時間の子との触れ合いのために、多額の金を払って援助を求めるようなサービスしか離婚家庭に提供できない法案は、時代遅れ以外の何ものでもありませんし、単独親権撤廃の民法改正の議論の妨げです。子の奪い合いと親子断絶の永続化に道を開く役割しか果たしえない議員連盟の存続は、これからの家族・親子関係の苦境を深めるだけです。

共同養育支援法議員連盟は即時に解散し、所属の各議員は、少数者の人権に配慮して別居親子に対する差別を解消し、単独親権の撤廃に向けての実態の把握と国民的な議論を促して決定に責任を持つという国会議員の本文を果たしてください。それが、別居親子の権利擁護を目的とする全国組織として、今私たちが求めることです。

議連解散要望書