「親が別れたら別れた親には会わせないほうがいい」
それはほんとうに子どものためなのでしょうか。
これからの社会でどう子どもを育てるか、私たちが今、問われていることです。
益子行弘さん(福祉心理学、東北公益文科大)は両親が離婚したひとり親家庭の子ども212人を対象にした調査結果を公表した。
「離婚後に別居する親に会えていない子」と、「月1回以上会えている子」を比較したものだ。
(読売新聞2012年10月24日、以下引用)
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「自分は悪い人」「他人から嫌われやすい」――。
自分をそんな風に捉えていたのは「会えていない子」たちだった。
別居した親と交流がある子に比べ明らかに、自分を大切に思える「自己肯定感」が低く、他者との友好な関係を築くのが難しい傾向があった。
益子さんは、「会えていない子」が、別居する親の悪口を同居する親から聞かされている割合が91%あることに注目した。
「会えている子」は28%だった。「『別居する親に会えない=悪影響』という」単純な図式ではない。
別居する親への否定的な態度そのものが子どもの心理に影響を与えている可能性がある」
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かつて、親が離婚したら別れた親には会わせないほうが子どもが落ち着く、という考えがありました。
しかし離婚も再婚も親がするもので子どもがするものではありません。
DVや児童虐待が「夫婦喧嘩」や「しつけ」と呼ばれたように片親引き離しが子どもに与える影響は虐待そのものです。
自分が離婚という危機に直面したとき、私たちは私たちが見落としていたものの存在に気づきました。
それは子どもたちの笑顔です。