別居親5団体、5名、福島大臣、千葉大臣の事務所を訪問
9月24日、北海道の柏木さん(面接交流ネット代表)らとともに、植野、宗像ほ か計5名で、kネット、面接交流ネット、子どもに会いたい親たちのネットワークさっぽろ、くにたち子どもとの交流を求める親の会、親子の絆ガーディアン四 国の5団体の要望書を持って、福島瑞穂男女共同参画・少子化担当大臣、千葉景子法務大臣のもとを訪れました。
福島大臣の秘書の上田恵子さんは、「子どもを中心に考えるべきで、簡単ではないが前進させる立場、方向性を示したい」と述べ、「多様な家族のあり方があっていいし、子どもにとっては大人が増えることはいいこと」と述べていました。
宗像のほうからは、「男女共同参画が唱えられて、育児に男も参加しているのに、別れたとたんに会えなくなるなんて、誰も納得しない」、「育児手当にして も、扶養控除もできず、養育費も払い、その上税金から子ども手当てとなると、別居親の存在はどうなるのか」と意見を述べ、「これまで別居親の側のことにつ いては指摘する人がいなく、どんどん指摘して欲しい」と上田さんも述べていました。
千葉法務相のところには、留守番のスタッフしかいませんでしたが、こちらも要望書を手渡して要請を終えました。
政権が交代し、与党内の意思決定が流動的なようですが、今後、政府の政策に別居親の意向を反映できるように、積極的に働きかけたいと思います。(宗像)
親の離別後の共同子育ての促進を求める要望書
福島瑞穂 男女共同参画・少子化担当大臣 様
2009年9月24日
共同親権運動ネットワーク
東京都国立市中3-11-6スペースF内
共同代表 植野 史、宗像 充
この度、長く男女共同参画・少子化の問題に取り組んでこられた福島瑞穂さんが、その担当大臣が就任されるにおいて、私たち別居親は親による子の連れ去りや面会拒否の問題の解決と、親の離別後の共同子育てを政府が促進することを求めます。
年24万人の子どもの親が離婚し、1日657人の子どもが親の離婚にあっています。このうち多くの親子が親の離別をきっかけに、親子関係を絶たれていま す。昨年より私たちは、親子関係の断絶が、親子双方に深刻なダメージを与えている現状を社会に知らしめてきました。毎年10万組を優に超える親子が引き離 され、親子関係の実態を保てないことは、すでに社会問題であるにもかかわらず、社会からも政治からも放置されてきました。
日本は離婚後に子ども の親権をどちらかに決める単独親権制度をいまだ採用しており、親権のない親は子どもに会う法的な保障すら現実には得られないのが実態です。他方、子の側か ら見ると、離婚後の夫婦だけでなく、事実婚夫婦ほかさまざまな境遇から生まれる婚外子についても、親の責任について法は未整備であり、その結果、子どもの 権利条約に規定された、子どもが親を知る権利や別居親との交流の権利は日本では絵に描いた餅にすぎません。
母子家庭の貧困を挙げるまでもなく、離婚はいまだ「落伍」であり、それは子どもとの交流を絶たれる親にとっても、子どもにとっても同様です。
男女共同参画があらゆる場面で唱えられ、男性の育児への参加が曲りなりにも進んだ現在、育児を行ってきた親ほど、親どうしの離別と同時に子どもの成長にか かわれなくなる事態は、納得しようにもしようがありません。親の離別前後にかかわりなく、養育は「養育費」という経済面だけでなく、子どもの成長にかかわ り、子育てをするという実質においても可能とならなければ、男女共同参画は一面的であるとのそしりを免れません。再婚家庭も増えている中、子の親は誰なの かという点について不問にしたまま、単独親権制度に基づいたままの発想で、児童扶養手当を考えたり、子ども手当てを充当することも不十分だと思います。親 の離別後も双方の親が子どもの成長にかかわる権利と責任があるという視点から離婚家庭支援は総合的に考えられるべきです。
それは法整備をするというだけでなく、別居親子の人権を擁護し、難しい親どうしの関係を調整しつつ、共同子育てを親の離別後も維持し促進するための第三者支援のあり方を、政府も真剣に考えることを意味するはずです。
要望事項
親の離別後の共同子育てを促進するために、共同親権に向けた法整備をし、第三者による仲介など適切な行政支援を行うための議論を早急に開始してください。そして、離婚家庭支援のあり方を男女共同参画の視点から見直してください。
共同子育てのための共同親権制度の実現を求める要望書
千葉景子 法務大臣 様
2009年9月24日
共同親権運動ネットワーク
東京都国立市中3-11-6スペースF内
共同代表 植野 史、宗像 充
この度、長く民法関係の法整備に尽力されてこられた千葉景子さんが、その担当大臣が就任されるにおいて、私たち別居親は親の離別後の共同親権が可能となる 法整備を求めます。特に親による子の連れ去りや面会拒否の問題の解決と、親の離別後の共同子育てを政府が促進することを求めます。
日本は民法 819条に代表される単独親権制度をいまだ採用しており、親権のない親は子どもに会う法的な保障すら現実には得られないのが実態です。離婚後の子の監護に ついては民法766条によって裁判所で取り決められますが、条文が抽象的で裁判所の裁量の幅が広すぎ、裁判所も「子どもの福祉」について統一的な見解がな く、現時点では親どうしの葛藤が高い場合、面会交流に消極的です。他方、子の側から見ると、離婚後の夫婦だけでなく、事実婚夫婦ほかさまざまな境遇から生 まれる婚外子についても、単独親権制度のもと親の責任について法は未整備であり、その結果、子どもの権利条約に規定された、子どもが親を知る権利や別居親 との交流の権利は日本では絵に描いた餅にすぎません。
母子家庭の貧困を挙げるまでもなく、離婚はいまだ「落伍」であり、それは子どもとの交流を絶たれる親にとっても、子どもにとっても同様です。
男女共同参画があらゆる場面で唱えられ、男性の育児への参加が曲りなりにも進んだ現在、育児を行ってきた親ほど、親どうしの離別と同時に子どもの成長にか かわれなくなる事態は、納得しようにもしようがありません。親の離別前後にかかわりなく、養育は「養育費」という経済面だけでなく、子どもの成長にかかわ り、子育てをするという実質においても可能とならなければ、男女共同参画は一面的であるとのそしりを免れません。再婚家庭も増えている中、子の親は誰なの かという点について不問にしたまま、単独親権制度に基づいたままの発想で、児童扶養手当を考えたり、子ども手当てを充当することも不十分だと思います。親 の離別後も双方の親が子どもの成長にかかわる権利と責任があるという視点から離婚家庭支援は総合的に考えられるべきです。
特に親どうしの子どもの 奪い合い紛争が事件となっている現在、その原因になっている単独親権制度以外の選択肢がないという現行民法には合理的な理由がありません。子どもの連れ去 りや面会拒否を容認する現在の法制度は改められなければなりません。そして男女共同参画を親の離別後も促進するために、共同子育てを可能にするための法整 備を私たちは求めています。
要望事項
民法を改正し、意味のある面会交流を保障し、親どうしの関係の平等性に基づく共同親権に向けた法整備を行うための政府内部の議論を早急に始めてください。そして、別居親子の権利を法的に保障し、親の離別後の共同子育てを可能にしてください。