私たちは日本で共同養育を可能にするための共同親権の実現を求めて活動しています。 法曹関係者の中には、現在の単独親権制度においてすら親どうしの紛争が激しいのに、離婚後も子どものことで合意をとることが必要となる共同親権制度では、紛争が離婚後も継続することになり、共同親権には慎重という意見が多くあります。 家裁では「両親間の葛藤が高い」、「監護家庭の安定」を理由に、多くの親子関係が絶たれ、法曹関係者がそれを「しかたのないこと」と当事者に諦めさせる場面が多くあります。 しかし、このような離婚に伴う葛藤の高まりは、当事者のせいだけではなく、一方的に親権を剥奪させられ、親権のない親が親たりえない証明とされる現在の法制度と家裁の運用の結果です。 共同親権になっても、離婚後の子どもの養育について紛争が続く親はいるでしょう。しかし、離婚しても子どもの成長にかかわり続けられることが法的に保障されれば、離婚時に譲り合う部分も多くなり、葛藤が離婚を契機に高まることは避けられることが予想されます(実際、ドイツでは共同親権の採用とともに調停の申し立て件数が減少しました)。 また共同養育は、お互い手元に子どもがいる場合にだけ子どもの養育に責任を持ち、それぞれの家庭生活には干渉しない並行養育が基本です。「非関与という協力」さえできれば、あとは子どもの受け渡し時の安全が確保できれば、大部分の共同養育、面会交流は安定していくはずです。 裁判所関係者や弁護士の方々にも、この点をご理解いただき、現行法制度のもとにおいても共同養育、面会交流を進めていくことをお願いします。また「争わないではいられない」現在の法制度を、「協力することも可能な」法制度へと移行していくことに力をお貸しください。 なお、現在の家庭裁判所の実態については以下のサイトをご参照下さい。 「家庭裁判所チェック」 by 家裁監視団