単独親権から共同養育のための共同親権へ

日本では毎年約25万組の夫婦が離婚し、そのうち約16万組の夫婦には未成年の子どもがいます。
しかし日本では離婚後の両親の一方にしか親権を認めないため、こうした子どもたちの多くが一緒に暮らせない父親、あるいは母親と十分な関係を築くことが難しくなっています。
また、同居する親の意向や杓子定規の司法判断によって、親子の会いたい気持ちが無視されて引き離される例も多いのです。

このような実態は知られていないため、「会えないほうに原因があるでしょう」「親権がないから会えないのはしょうがない」などと子どもに会えない親が言われることも多いのです。
民法では離婚後の親権はどちらか一方の親が持つことになっています。

この結果、離婚後の親子の面会交流がなされにくいだけではなく、様々な問題が指摘されています。

■離婚紛争時

離婚で夫婦が紛争になると、お互いに子どもの親権を取るべく、泥沼の戦いとなっていきます。
「子どもが相手になつくと親権が得られない」と考え、子どもを連れ去り、意図的に引き離して会わせなくなることもあります。
ひどい場合には殺人事件にまでエスカレートしてしまいます。
※参考:子どもの奪い合い事件へのリンク

・子どもの奪い合い
・子どもの連れ去り
・面会拒否
・子どもを使った人質取引

などが具体的な問題点としてあげられます。

などさまざまな問題点が指摘できます。
これらの問題点については、下記の弁護士さんのリンクをご参照ください。
単独親権制度の問題点がよくわかると思います。

後藤富士子弁護士 「親権」と「親」の乖離
田中早苗弁護士「会えないパパ・会えないママ」

■離婚後
また、親どうしが裁判所などの調停で面会の約束を合意書で交わしても、審判などが出ても、拘束力や強制力がないため、子どもを引き取った親が面会を拒否すると、親権を失った側の親は、子どもとまったく会えなくなってしまいます。

・養育費不払い
・幼児の虐待死(継父からの虐待が最も多い)
・PAS(Parental Alienation Syndrome「片親引き離し症候群」)

などは面会拒否の問題と深く結びついた問題です。
このほか、

・国際結婚後の離婚と親権問題
・国家間の子の連れ去り問題
・ハーグ条約の問題(日本は海外から「連れ去り天国」と批判されています)

などの国際的な問題も深刻化しています。

■単独親権から共同養育へ
離婚時にどちらか一方だけの親権を決定するということは、双方の親が養育の意思を示していても、片方の親の親権を剥奪するということです。
裁判所で夫婦が子どもを確保するために悪口を言い合う構図は、本人たちの問題だけではなく、法制度の不備によるところが多いのです。
また、無自覚な弁護士がこの制度の欠陥を悪用しています。

※参照「なぜ人質弁護がなされるのか?」

手段を選ばない子どもの奪い合い紛争により、親どうしの感情的葛藤がさらに高まり、亀裂が深まることで、不利益を被るのは子どもです。
先進国の中では、単独親権制度が維持され、共同親権や共同養育が制度的に不可能な国は日本だけになってしまいました。
私たちは、1人でも多くの方に実態を理解してもらい、子どもの幸せと親子の絆を守るため、こうした現状を変えていきたいと思っています。
また、共同親権・共同養育が可能な法制度の実現、親子の交流権の法制化を目指して、様々なイベントや情報提供を行っていきます。

どうぞ皆様の応援とご協力をよろしくお願いいたします。

参照:
「共同親権」wikipediaの記事