民法766条改正における面会交流の明文化についてのkネット声明
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2011年5月27日
共同親権運動ネットワーク
本日5月27日、「民法の一部を改正する法律案」が参議院で可決成立した。今回の改正で離婚後の子どもの監護について定めた民法766条について、「面会及びその他の交流」と「子の監護に要する費用の分担」という文言が明記された。私たちは今回の改正を歓迎する。考えても見れば、民法に面会交流と養育費について明記されていなかったこと自体が驚きだが、改正によって離婚に伴う子の奪い合いや、離婚や未婚時に一方の親のみに養育負担が課される現状が改善されることを期待する。「共同養育のための共同親権」の実現に向け、ようやくスタートラインに立った。
今回の改正に伴う一連の質疑で、江田五月法務大臣は、「別れた後も父と子、母と子の関係はちゃんと残るわけですから、そういう面会交流を離婚のときにもきっちり決めてくださいよ、こういうことを国会がメッセージを発するということは非常に大きい」と述べ、立法趣旨を明確にしている。
付帯決議では、面会交流の継続的な履行のために、場の確保や仲介団体への支援、調査研究などについての必要な措置を講ずること、また、協議離婚制度のあり方や離婚後の共同親権・共同監護の可能性について検討することと言及されている。何より、引き離された親子の苦境についての社会的な認知がなければ、今回の改正がなされなかったことを私たちはここで確認したい。
江田大臣は、「理由なく他方の親の同意なく子を連れ去る、これが適切ではないということは、私は言うまでもないことと思いますが、基本的には夫婦間で子の監護について話し合いをすべきであって、そうした話し合いなく連れ去るときには家庭裁判所が役割を果たす」と述べる。共同親権や面会保障について、「民法改正、個別法制定についてはこういう法的手当がありますので慎重に考えるものだと思います」とも付け加えている。
話し合いができなくなった状態で解決策として連れ去りが起き、その後に続く片親疎外の現状を家裁は追認してきた。その際に理由として家裁が持ち出してきたのは「子どもの福祉」である。今回の改正民法の中でも、協議時において「子の利益を最も優先して定めなければならない」と明記されている。この場合の「子の利益」は原則として、親を知り双方の親から養育を受ける権利として解釈されるべきであり、今回の法改正によってその趣旨が家裁で徹底されることを私たちは強く求める。金銭解決や月に1度2時間程度の子どもとの触れあいで親としての務めは果たせるというような、旧態依然の裁判官の子育て観は変わらなければならない。こんなことは何も離婚後に限られたことではない。また同時に、そのためには、現在の法的手当は不十分であり、実効性のある面会交流・共同養育を保障するための個別法や、共同親権を民法においても実現することができなければ、立法趣旨は絵に描いた餅になりかねない。今回の法改正は、その実現に向けた議論のきっかけにすぎない。私たちは、いっそうの議論の広がりと深まりによって日本の家族のあり方をあらためて問い返したい。法を私たちの手に取り戻し、共同養育を日本で実現しよう。
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本日5月27日、「民法の一部を改正する法律案」が参議院で可決成立した。今回の改正で離婚後の子どもの監護について定めた民法766条について、「面会及びその他の交流」と「子の監護に要する費用の分担」という文言が明記された。私たちは今回の改正を歓迎する。考えても見れば、民法に面会交流と養育費について明記されていなかったこと自体が驚きだが、改正によって離婚に伴う子の奪い合いや、離婚や未婚時に一方の親のみに養育負担が課される現状が改善されることを期待する。「共同養育のための共同親権」の実現に向け、ようやくスタートラインに立った。
今回の改正に伴う一連の質疑で、江田五月法務大臣は、「別れた後も父と子、母と子の関係はちゃんと残るわけですから、そういう面会交流を離婚のときにもきっちり決めてくださいよ、こういうことを国会がメッセージを発するということは非常に大きい」と述べ、立法趣旨を明確にしている。
付帯決議では、面会交流の継続的な履行のために、場の確保や仲介団体への支援、調査研究などについての必要な措置を講ずること、また、協議離婚制度のあり方や離婚後の共同親権・共同監護の可能性について検討することと言及されている。何より、引き離された親子の苦境についての社会的な認知がなければ、今回の改正がなされなかったことを私たちはここで確認したい。
江田大臣は、「理由なく他方の親の同意なく子を連れ去る、これが適切ではないということは、私は言うまでもないことと思いますが、基本的には夫婦間で子の監護について話し合いをすべきであって、そうした話し合いなく連れ去るときには家庭裁判所が役割を果たす」と述べる。共同親権や面会保障について、「民法改正、個別法制定についてはこういう法的手当がありますので慎重に考えるものだと思います」とも付け加えている。
話し合いができなくなった状態で解決策として連れ去りが起き、その後に続く片親疎外の現状を家裁は追認してきた。その際に理由として家裁が持ち出してきたのは「子どもの福祉」である。今回の改正民法の中でも、協議時において「子の利益を最も優先して定めなければならない」と明記されている。この場合の「子の利益」は原則として、親を知り双方の親から養育を受ける権利として解釈されるべきであり、今回の法改正によってその趣旨が家裁で徹底されることを私たちは強く求める。金銭解決や月に1度2時間程度の子どもとの触れあいで親としての務めは果たせるというような、旧態依然の裁判官の子育て観は変わらなければならない。こんなことは何も離婚後に限られたことではない。また同時に、そのためには、現在の法的手当は不十分であり、実効性のある面会交流・共同養育を保障するための個別法や、共同親権を民法においても実現することができなければ、立法趣旨は絵に描いた餅になりかねない。今回の法改正は、その実現に向けた議論のきっかけにすぎない。私たちは、いっそうの議論の広がりと深まりによって日本の家族のあり方をあらためて問い返したい。法を私たちの手に取り戻し、共同養育を日本で実現しよう。
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