isou_kousai20150101父親のもとで育っていた子どもを、
母親は人身保護請求を申し立て
「会わせる」という約束を申し出て引き取りました。
母親が再婚相手の養子に子どもたちをし、
その後、面会交流を続けていたものの、
2013年に母親と養父が面会交流間妨害しました。
父親は、代諾による養子縁組も含めて、
損害賠償請求を母親と養父に東京地裁立川支部に求めました。
裁判所の決定(千葉家裁、東京高裁)では、
父親は、母親の連れ子である上の子どもとの
面会交流も下の子に準じてできることになっていました。

母親側は、母親側の居住地である千葉地裁に
移送を申し出、いったん立川地裁が上の子の意見聴取の
必要性を認めて異例にも移送を認めました。
この決定は、父親の抗告に対し、東京高裁が
抗告を認めて、もともと子どもたちが
暮らしていた父親の居住地の管轄である、
立川の地裁で損害賠償の裁判を行うように命じたものです。
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もともとの面会交流の決定文には、
上の子との面会交流には「子どもが望む場合には」という一文が入っていました。
この点が争点になりましたが、東京高裁は、裁判所で子どもに証言させるのが
子どもの福祉の観点から望ましいとは言えず、
上の子の心情への配慮について触れた点が注目されます。
会えない子どもに「会いたいかどうか」を「言わせる」ことが
「子の意思の尊重」とは言えないことを裏付ける決定です。