kネット2014年度の総会は、2月22日(日)に東京マラソンの3万人のランナーが駆け抜けた東銀座で行われました。
総会の前の午前の部として、北九州市立大学文学部准教授の濱野健先生から各国共同親権事情との題でイギリス、アメリカ、スウェーデン、オーストラリア、カナダの共同養育(Sharedparenting)状況について、情報提供をして頂きました。
いずれの国も50%/50%が原則かつ理想としながらも、実際は30%/70%程度にとどまっていることなどが報告されました。それでもイギリスでは週1回の面会交流が70%を占めるとのことで、我が国の月1回2時間などという別居親の共同養育機会が1%にも満たない状況との大きな違いに、各国の状況に羨ましく思えるものでした。
また先生は、日本のハーグ条約加盟後の事情として、オランダとイギリスの実地調査を行い、オランダでは現地の日本女性への聞き取りから、子どもの連れ去りについての認識の変化や子どもを日本に連れて行く際には、空港で夫のサインが必要とされていることなどを報告されました。イギリスでは、家事調停の支援NGO団体の代表を取材され、イギリスの調停員が高度な訓練を受けた臨床心理士のような存在で、かつ定期的な講習を受け研鑽を積んだ専門家であること、さらに日本の家族法と調停制度については、まず単独親権の制度と日本の家事調停員の専門性の欠如が大きな問題であると指摘を受けたことを報告されました。日本の家裁が自画自賛する家事調停制度と運用の貧困性を再認識する貴重な講演でした。
午後からの総会では、まずkネット第III期の活動総括と2014年の取り組みについて、年4回の会報の発行、元裁判官の瀬木比呂志氏の講演会の実施等のイベント、国立市や文科省への陳情等、啓発活動について報告がされました。2014年度の決算報告も同時に行われました。
続いて、2015年度について、第IV期運営委員の14名の選任の後、活動方針について議論されました。活動については、全国交流会の開催や、公式ツイッターやフェイスブックなどのSNSの利用による情報発信、そして情報提供の相談体制の確立を行っていくことが承認されました。
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