ステップペアレントの話からわかること「子どものための共同養育を進めるために」
明治学院大学の野沢慎司さんの話はとても示唆にとんでいた。ステップファミリーの家族拡張理論は共同養育に賛成の結果であり、子供の福祉、利益を考えてこそだった。
わざわざ離婚後、核家族に戻して実の父親を排除するというのは、不自然きわまりなく、子どもの福祉や子どもの心理を考えてというよりも、同居親の実の父親排除の都合が大きい。また、現在の欧米先進国の離婚後のステップファミリーが「双核家族(bi nuclearfamily)」となり、実親との共同監護や面会交流を行いつつ、子どもは二つの世帯を持つパターンが増加しているというのは、なかなか聞けない話でとても面白かった。
子供の最善の利益を考えれば、当然離婚しようが実の両親と継続的関係を保てることだ。
子供が父親が二人いたら混乱するというのは、同居親側の煩わしさでしかないというのは納得がいった。日本のステップファミリーの話というのは常に同居親の母親の視点の実父を排除し単独親権を維持するというのが、多いが本来は欧米のステップファミリーもこのように離婚後の父親とも子供が触れ合える子供のため、そして父親が不当に差別されないべきものだということを感じた。このような共同親権に生産的なステップファミリーの話はもっと知られるべきだろう。
小田切先生の心理学的な観点からの忠誠葛藤を子供に味あわせない、片方の親を子供に無理に選ばせないというのは筆者と見解はほとんど一緒。私も心理学系の人間なので。子どもの意思を片方の親との交流を切った状態で「聞く」などというのは、子どもの意思をそもそも尊重していない証拠。
弁護士の藤原道子さんはアンケートの解説をわざわざしにきてくださってありがたい。日弁連が別居親にアンケート協力を依頼するというのが大きな進歩だと思う。アンケートの質問に偏りがあったようだが、そのような偏りに憤りを感じたことは当事者が言わなければ相手もわからないし。
以下、会報本文に続く。