2018年3月24日土曜日の午後、総会が約1時間、全国交流会が約2時間、文京区民センター会議室にて、全参加者29名で盛況の内に行われました。

親子断絶防止法議連の議員は、DV防止法の運用維持、共同親権に消極

第一部 総会
運営委員の竹内から、いつもは檀上から一方的にお話しをすることが多いが、本日は皆さんと意見を出し合って進めて行きたい、という開会の挨拶がありました。続いて宗像から、kネットは会員がやりたいことを持ち寄る自主的な活動の場であること、各運営委員の紹介が行われて運営委員は皆が実働部隊でありそれぞれがこういう活動をしたいという思いを持って集まっている、運営に関わりたい方歓迎、という話しがありました。

次に、2017年度の活動報告と今後についての説明が、各運営委員からありました。

・宗像:ホットライン23件、大鹿家族相談18件、東京交流会は概ね10人前後の参加者があった。メディアは、HP、メルマガ、ニュースサイト、ツィッター、家庭裁判所チェック、会報を持っており、それぞれに棲み分けている。昨年は親子断絶防止法の対応に追われたりした。HPは、意見表明や質問状、イベント情報等を載せている。メルマガは、昨年は71号を発行し読者数は800人程度で年々増えている。ニュースドットコムは、世間に出たニュースや皆さんが書いたオリジナルの記事を載せている。家裁チェックは、サイトの上位を維持しニーズが高い。裁判官からは警戒されているようで、それだけ効いているということではないか。

・田中:イベントとして、昨年5月5日に、福田雅章一橋大学名誉教授をお招きして、子どもの権利条約からの考慮と親子断絶防止法の盲点について学習会を行い、その後、御茶ノ水から上野公園までデモを行った。

・森本:映画「レッドピル」を、kネット主催で、5月5日の立川を皮切に6月17日京都、7月21日東京御茶ノ水で上映する。女性監督が作った、米国の行き過ぎた女性解放運動と真の男女平等とはについて考えさせるドキュメンタリー映画です。

・小島:子の連れ去り断絶問題についての選挙アンケートを、7月に東京都、10月に衆議院について行った。興味深かったのは、一般議員より親子断絶防止法議員連盟の議員の方が、DV防止法の運用はそのままでよい、共同親権化に前向きでない、という回答が多かったこと。詳しくはHP上の候補者・議員アンケートを参照。

・林から会計報告 決算報告と予算の説明が行われ、承認されました。

第二部 全国交流会 4名の講師をお招きしました。

配偶者「合同慰霊祭」

先ず、津軽ファミリービジテーションホーム代表の佐久間博秀さんから、ご自身の体験を基にお話しがありました。東北大震災の1年前にお子さんが生まれ、仙台に生活していたが、放射能の影響などから青森県で生活をはじめ、そこで、妻の父母の影響も有ってお子さんを連れ去られたこと。その後、DV加害者として仕立て上げられ、警察に捕まったりしながらも多くの苦難を経て2年2か月掛かってDVを解除したこと。そして現在はお子さんと交流ができており、それまでに会得した別居親としての面会交流のノウハウをお話しになりました。

同居親に対する細かいことには反応しない、同居親は面会交流をかなり気にしている、感謝の気持ちを持つ、期待しない、質問しない、ストレートに言わない、メールは3行以内にしている。また、調停に対しての心構えも、書面は中学生が読める程度のものに留め大量には出さない。

面会交流支援の為の民泊を経営していて、お盆に行事として、配偶者(亡くなってはいない)の合同慰霊祭を行っているそうです。在りし日の奥さんを思い出し、「生前」の感謝の気持ちを書いたりしている。こうすることで気持ちを癒しているとのこと。結論としては、どうしても加害者にしたり、被害者になったりするが、どっちにもならない生き方が必要、とのことでした。

日本が連れ去り天国だからフランスで単独親権

フランス在住の内田修さんからは、フランスの妻の実家に帰省したときに、子ども2人から引き離されました。2010年離婚が成立、単独親権とされ父親に親権はありません。離婚成立時日本はハーグ条約締結前で、日本の連れ去り天国が影響していた。フランスでは共同親権だが、実際は単独親権も多いそうです。子どもと2週間に1回妻の実家で会っていたが、連れ去り防止の為か外に連れ出すことは禁止、妻側の友達が大勢来たりして面会を妨害された。元妻側は、元夫が日本に帰ってくれるのを待っていたようだった。

現在は、フランスでワインを作りながら生活し、月2回面会所(元学校の校舎)で会っている。監視員みたいなのがいて、面会の報告書を提出している。地元の新聞に日本人の父あきらめずに戦うという大きな記事を載せてくれ、一般市民レベルでは応援してもらっています。

男性の入れるシェルター運営

次に、日本家族再生センター代表の味沢道明さん。男性運動の先駆けで30年くらいやっているが、日本ではフェミニストと違い男性運動は金にならないので発達してこなかったとのこと。被害者も加害者も男性も女性もワンストップで、心理的サポートとしてグループワークやカウンセリング等を行っている。海外へもスカイプでつながっている。男性が使用できるシェルターがあり、男性加害者が利用し女性が逃げなくて済む。居酒屋も経営しており、居酒屋形式のトレーニングの場を提供している。「あなたそれDV男よ」と被害女性が言えるようになる、それが本当の意味の回復。カウンセリングを年約500件しており、年々増加傾向にある。

「離婚したパパとママを支援します」

狛江市議の市原広子さんは、現在、市議3期目で公約は「離婚したパパとママを支援します」です。昨年12月に離婚後親子の面会交流について市議会で一般質問をしたところ、理解はされているようだが、対応は慎重。議会の回答は、公民館の女性講座などで取り組めるとよいと考えている。

面会交流の啓蒙活動について講演会を提案したがそれに対しては、プライバシーが見えてしまうので開催しない、となりました。子どもを連れ去ることを勧めるようなフェミニズム運動に対しては懐疑的である、とのこと。子どもがどこの戸籍に入るかの戸籍の問題は大きい。子どもが連れ去りに会い地域を離れることで社会性を壊されないようにしたい、とお話しになりました。

宗像の閉会の挨拶で終了し、多くの参加者が次の懇親会へと向かいました。(染木辰夫)