2014年3月18日、衆議院第二議員会館で
親子断絶防止議員連盟の設立総会が開かれた。
自民、公明、民主、みんな、維新、結の
衆参の議員43名が議連に名前を連ねた。
冒頭、議連会長の保岡興治議員は
「夫婦が破たんして、一方が子どもを無理やり
連れ去ったりする。
そのときのルールを作るのが
子どもの幸せのために決定的に重要。
日本でも具体的目標を設定をして
成果の出るようにしていきたい」
と抱負を語った。
その後、父、母、祖母の立場からの
当事者の生の体験談が伝えられたほか
VTRでたくさんの当事者が心情を語った。
また棚瀬孝雄弁護士は
「離婚は子どもにとってリスクであり、
家庭裁判所は子どもを守れていない。
したがって立法府の明確な指針が必要である」
と提言した。
その後、フロアの議員と各省庁との質疑になった。
事務局次長の牧原秀樹議員は、
「ハーグ条約で国際的な子の連れ去りはダメになった。
国内では連れ去り得のまま。矛盾はないのか」
と質問した。
法務省の民事局の堂薗幹一郎参事官は、
「ハーグ条約は法制度の違う国際間で
連れ去りがなされたときに元いた国で監護権を決めるもの。
日本の法秩序の中でなされるものは国内の法制度が適用
されるので矛盾はない」
と答えた。
この質問に、司会の馳浩議員が
「質問は連れ去りは問題があるという認識が
法務省にあるのかということ」
と問うたところ、
「問題はある」と堂薗参事官は答えました。
法務省では海外の法制度を研究していて、
欧米のほうが連れ去りに厳しい対応をしている
ことは認識しているとのことです。
三谷英弘議員は、弁護士をしていた経験から、
「家裁の判断はデタラメで母親の訴えがそのまま通る。
裁判官と調査官の役割を見直すのが必要。
裁判所の判断の仕方を見直すために調査検討するか」
と聞きました。
最高裁家庭局の和波宏典第二課長は
「内容には踏み込めない。国会の議事録を
配布したり研究会を開いたりしている」
と述べたのに対し、三谷議員は
「何度聞いてもその答え。危機意識はあるのか。
当事者の声を聞いたりするのか」
といらだちを表明しました。
城内実議員は
「専門の弁護士がいて、DVにして慰謝料をとるように
教える。そうすると男性が負ける」
と現場の実情を指摘しました。
幹事長の漆原良夫議員は、
「当事者の声が法によって担保できるようにしていきたい。
課題を絞り、省庁とやり取りを積み重ね、
面会交流の保障と連れ去り禁止の二面作戦でやっていきたい。
立法はゴールではなく、面会交流が認められるのがゴール。
2~3週間に1回は会議を行う」
と見通しを示した。
その後の記者会見では、議連を呼びかけた
事務局長の馳浩議員が、
「無断での連れ去りは容認できない。
安心して面会交流ができるようにリーガルサポートを
していきた。共同親権という問題意識はある」
「民法766条の改正では実態が伴っていない。
実態が伴わないから、実態のある面会交流のできる
ものにしていかないと意味がない」
と質問に答えていました。
この日の当事者の参加は30名ほどでした。(宗像)