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□■   共同親権運動ネットワーク(kネット) メールニュース
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◆― No.43 ―◆

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このメールニュースは、主に共同親権運動、親子引き離し問題
についての情報を発信するものです。 2011年5月19日  
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■今号のトピックス
1.ハーグ条約加盟に際し、当事者の声を反映した共同養育のための法整備を求める声明

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┣☆┫1.ハーグ条約加盟についてのkネット声明3
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ハーグ条約加盟についてのkネット声明です。
この件についての声明は3回目です。
条約だけではなく、共同養育のための国内法を。

ハーグ条約加盟に際し、当事者の声を反映した
共同養育のための法整備を求める声明

2011年5月19日
東京都国立市東3-17-11好日荘202
共同親権運動ネットワーク

日本政府がハーグ条約の加盟の意向を示し、
国内担保法について準備をしているという。
条約の加盟そのものには私たちは賛成する。
ただし私たちは、ハーグ条約の批准については、
国内の共同親権・共同養育についての議論と一体化して
進めるべきであると述べてきた。
私たちは条約加盟の議論に、当事者である別居親子の意見が
反映されているとは思えないことを危惧する。
いったい誰のための条約加盟だろうか。

ハーグ条約は、不法に連れ去られ拘束された
子どもの返還についての手続きを加盟国政府に求めるものである。
条約に面会交流の尊重規定があるように、
背景には、親を知ることが子どもの権利であり、
双方の親から子どもが養育を受けることが子どもの利益に叶う
という考えがある。もちろん、無断で子どもを連れ去り
以後親との関係を絶てば、連れ去られた親の権利も侵害することになる。
そのことが海外では不法とされていることに
日本の国内から異議を挟むなら、そもそもその行為自体の
妥当性をまず議論しなければならない。
子どもを連れ去って会わせないという行為は罪であり、
それは連れ去った者が親であろうがなかろうが同じである。
この条約に加盟するということは、
その趣旨を受け入れるということだ。
この点からの条約の加盟には私たちは賛成する。
しかし政府がその発想に立ってこなかったのは、
連れ去られた側を一方的に悪と決めつけて、
故に子どもの養育の適任者とは見なさないという、
逆立ちした思考があるからだ。

朝日新聞(5月11日社説)によれば、
弁護士たちは「外交とりわけ対米関係を気づかうばかりで
国民の方を見ていない」というが、私たちもまたこの意見に賛成である。
問題が国際化しているのは、日本国内の連れ去りと拘束という
片親疎外の問題を、日本に住む私たち自身が解決できないからである。
どうやったら条約の適用を免れるかに
もっぱら関心が寄せられているなら、
政府の議論は問題解決に向けてのものとはなかなか捉えられないだろう。
条約に加盟し、条約の趣旨に反する担保法を作り、
実際の返還がまずなされないということになれば、
国内のこれまでの慣習を損なうことはないが、
国際的には信義に反する行為であり、
海外からの批判はこれまで以上に強まるだろう。

私たちはこの条約締結に際し、反対の声があることも知っている。
懸念は懸念として重要である。
しかしながら、条約への加盟ではなく、
国内法の充実や手続きの適切な運用によって
条約加盟に代えるべきであるという意見には賛成できない。
アメリカ政府は、戦後日本が政府の関与で
アメリカに対して子どもを返還した事例は1件もないと
2010年の下院決議で述べているが、
これは他の国においても同様である。
国内法やその運用への不信感があるからこそ、
条約の加盟を各国は迫ったのであり、
もし条約に加盟することなく、日本が返還に応じ
日本国内では共同養育の枠組みを作ることが可能となっていたなら、
そもそも加盟自体が問題にならなかっただろう。
海外に子どもを連れ去れた親にとってみれば、
日本の条約への未加盟はことさら自由な親子の往来の妨げになる。

「事案に応じた解決を図っている」と法曹関係者は口を揃えて言う。
特に、現行法の枠組みを知った上で運用してきた弁護士の中から
このような意見が出ることには懸念がある。
監護親の拒否感情や、「子どもが会いたくないと言っている」
という証明のしようのない言葉で易々と交流を絶ったり、
年3回の写真送付で我慢させ、
子どもに親を捨てさせることを家裁はしてきた。
面会交流は月に1度2時間、365日分の24時間が相場だとされる。
弁護士たちは面会を条件に金品を請求することを幇助して家裁における
「人質司法」を温存してきた。
調査官は、引き離しを長引かせた上で子どもの意向を聞き、
「会いたくない」という言質をとり
その後の親子関係修復の努力を放棄してきた。
審判官は、監護親が再婚すれば、密室に申立人を呼び出し
面会交流や親権者変更の申立をその場で下げさせるということを、
裁判官の名のもとにしてきた。

子どもを連れ去られ会えなくなった親は
「国民」とは見なさないというのであればこういった
「事案に応じた解決」という意見も納得しよう。
ただし、そのような弁護士や裁判官を養成するために
私たちの税金は使って欲しくないものだ。

別居親になれば裁判を受ける権利すらなくなるのなら、
日本の司法に期待せず、ハーグ条約の加盟による救済の道を探るのは、
海外にいる別居親にとってみればごく当たり前のことではないか。

他方の親の責任を問うことができなくなり、
離婚や未婚時の養育負担を、慣習の名のもとに
一方の親だけが負わされるのであれば、
ことは別居親だけの問題でもない。
別居親にもいろいろいようが、そもそもが親どうしの関係と
親子関係を意図的に混同してきた法曹関係者たちの思考が、
「事案に応じた解決」の名のもとに当事者たちの
その後の人生を左右してきた。このような人たちに
親としての適格性を論じて欲しくない。
いったい「私たちが離婚したら私と会えなくなっても我慢して欲しい」
と自分の子どもたちには常日頃から言っているのだろうか。

条約に加盟するのであれば、
このような法曹関係者の意識の変革が前提条件である。
ただしそのためには、条約の当事者である別居親子の意見を、
国籍を問わず議論に反映させなければならない。
そして加盟と同時に条約の担保法ではなく、
共同養育を可能とする実効性ある法枠組みが
当事者たちのために必要である。

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■ 編集部より
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政府はハーグ条約の加盟の意向を固めつつある。
でも、どうやったら条約が適用されないかの議論をするなら
何のための議論かわからなくなる。
これからの親子関係や家族関係をどうしていくかの、
骨太の議論をこれからはじめなければならない。なんちゃって。(宗像)

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