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会報 :共同親権運動 第11号

会報 :共同親権運動 第11号

1面の「裁判所へのアプローチ」より抜粋。

裁判所へのアプローチ ~彼らに声は届いているか?~

望月蓮

kネットでは以前より最高裁判所や家庭裁判所に申し入れを中心とした活動を行っている。

テーマとして、「家庭裁判所などでの現場の実体を訴える」「運用改善の要望」がある。どちらも当事者にとっては切実なものだ。

具体的には、連れ去りの容認ばかりではなく、長引く調停や不適切な調停委員らの対応により「裁判所による結果的な引き離しの幇助」や「人質取引の看過」などがある。

kネットではこうした裁判所の現状を訴え、改善を促すために申し入れや意見交換の機会を継続して設けている。

「裁判所に物を申すなど・・・」という漠然とした印象を持つ人もいるだろう。以前は私もそうだった。しかし、実際やってみるとたいしたことはない。申し入れ先が最高裁判所でも同じだ。慣れればなんと言うことはない。市役所への出入りと変わりはない気楽さだ。

申し入れのアポイントメントや申し入れ前に行う裁判所前でのチラシ配りなどは、ほぼすべてkネットの事務方が行ってくれる。私といえば、仕事の合間を縫って現場に駆けつけるのがほとんどだ。集合場所では準備ができているか早々に始まっている。

時間になると裁判所の係りの人が迎えに来る。その後応接室などに案内される。

どの裁判所でも時間はたいてい30分ほど。申し入れの文書を読み上げ、生の声を聞いてもらう。

こちらからいろいろ質問しても、その場の担当者は絶対に返答にあたるコメントはしない。「承りました。関係部署にまわしておきます。」だけだ。唯一聞けるとすれば、「この申し入れ文書を扱う部署はどこか?」くらいだ。それ以上は聞けない。われわれの申し入れ文書がその後どう判断され、誰に読まれるのか、も教えてもらえない。これは不満だ。

『はたして裁判所はこの先まともになっていくのだろうか?』

参加者の一人として、こうした裁判所の対応には失望を感じる。それでも「待っているだけではだめ、行動しなければ何も変わらない。」の気持ちが大切だと信じている。

最近、注意深く判例や当事者の体験を聞いていると裁判所も変わりつつあるかも、という印象がある。特に共同親権という言葉は数年前では聞くことすらなかった。これは大きな進歩といえる。

しかし、まだまだ全体的には旧態然とした現場であることは間違いない。私たちの裁判所へのアプローチも継続し、より明確な獲得目標をもって取り組んでいかなければならない。前述のとおり申し入れへの参加は大きな負担になるものではない。デモや集会参加というものとはまた違った活動の入り口としてオススメだ。

早いうちに「裁判所に我々の声が届いている。」と実感できるようにしたい。

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